まいこ

DEAR WENDY ディア・ウェンディのまいこのレビュー・感想・評価

3.8
女は優しい言葉が好きだ
だが直ぐに忘れる

コーヒーを届けるだけなのに

ラース・フォン・トリアー脚本、「ドグマ95」を共に発表したトマス・ヴィンターベアが監督。ふとしたきっかけで手にした銃に翻弄されるアメリカの若者たちを描く。アメリカ風刺。
舞台はとある小さな炭鉱町。スーパで働く青年ディックは、炭鉱が苦手な自分に劣等感を抱いていた。ある日、彼はふとしたきっかけで銃を手にする。その銃に"ウェンディ"と名付けた彼は、銃による平和主義を目的に、若者たちと"ダンディーズ"を結成する。

脚本のみがトリアーということであまり期待せずに鑑賞に臨んだもののいやめっちゃトリアーやんけwwとラストシーンは大笑いした。人間的描写は『ドッグヴィル』や『マンダレイ』の逆に置かれているだなと理解すると没入感が増す。説明過多でごちゃごちゃしている厨二臭さ満載駄菓子的トリアー風味な作品(一部違うけど)だと思えば🙆‍♀️ただぶっちゃけ舞台も上二作と同じ形式だったらもっと好きだったかもしれない。
ナニカを介してヒトが繋がるといえば『イディオッツ』を思い起こさせるけど、本作では銃。繋がるモノが目に見えるだけあって関係性の変化が連動しているので色々と分かりやすい。
あのなんとも言えない空虚な人間関係を再び味わせてくれてアリガトーーー!とトリアー及び関係者各位に感謝したくなる。
アメリカン・ニューシネマと西部劇の混合と青春にありがちな自分IN世界な自己中心さが妙にマッチしていて純粋に面白かった。現実では有り得ない状況とそれに対する解決能力が予想だにしない方向に暴走する物語が好みなのかもしれない。登場平和を唱えながらも人を殺すなんてそんな酷い話は……?

BGMはゾンビーズ。
ジェイミー・ベルはトム・ホランド、ジェシー・アイゼンバーグと同じ種類の骨格してそう。
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