らんらん

六人の暗殺者のらんらんのレビュー・感想・評価

六人の暗殺者(1955年製作の映画)
3.5
島田正吾主演の幕末時代劇
主人公が坂本龍馬の暗殺犯をひたすら追っていく映画

【あらすじ】
島田正吾は土佐出身の勤皇派、尊敬する先輩坂本龍馬が暗殺されたのを知りショックを受ける
わずかな手がかりを頼りに京都から江戸と行き来を繰り返しながら暗殺犯を追うのだが、その間にも激動の時代は流れていく、、、

【感想】
タイトルだけ見ると1960年代の東映モノクロ時代劇って感じ
そしてこれもあるあるなのが「六人の」って数字に大した意味はないし、六人それぞれが誰なんてこともない映画です

ストーリーはなかなか興味深い内容で坂本龍馬の暗殺犯に迫るフィクション
新撰組なのか見廻組なのか、それとも同士討ち(裏切り)なのか

結構生々しくて皮肉でリアルなオチが待っています
幕府側にしても官軍側にしてもどちらが正義や悪ということもなく、やはり時代の流れ、歴史の常なのかなぁ

結局主人公が執念を燃やして追った暗殺者達は味方側であったし、その暗殺者達にしても雇われみたいなもの
自分は今まで何をしてきたのか、何のためにやってきたのかってなっちゃいますよね

本作で印象的に残ったのは辰巳柳太郎とヒロイン宮城野由美子
いつも思うけど辰巳柳太郎は凄みがある、あの逃げまどい錯乱する演技の迫力凄かったなー
宮城野由美子は初めて知った女優さん、清楚でかわいらしい見た目、誰かに似てる(高田美和?)

新文芸坐の幕末映画祭による特集にて「江戸一寸の虫」に続いての鑑賞
どちらも1955年の滝沢英輔監督作品、日活製作の幕末時代劇
どちらも人間不信になっちゃうような映画、主人公が真面目で思いつめちゃうタイプだから余計にどハマりしちゃうってお話
なかなか真似できない不器用で損な生きかた、ただどちらの映画の主人公も尽くしてくれる美人な恋人がいる点では恵まれてるしうらやましい
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