LEO

歩いても 歩いてものLEOのレビュー・感想・評価

歩いても 歩いても(2007年製作の映画)
4.2
父との確執が深い良多は、15年前に事故で亡くなった兄の命日に家族を連れて実家に帰省する。
その実家では父親との確執、義母との確執、後継問題、事故の惹起者への恨み等々、それぞれの思いを胸に秘めた家族が一堂に会し思い出話に花を咲かせる話。

男はいつまでもプライドが邪魔してあえて言わない思いがある。
女は執念深く、器用に綺麗な言葉で腹の中を隠す。
日本人の「いない人の悪口をいう」「関係ない人に本心をいう」と言う性分を描いているのかな。

あ〜、もう!
自分と父親との関係を見ているみたいで胸が苦しくなるわ。

是枝監督がいつも描いているのは、“ファミリードラマ”。
ただし、『サザエさん』にみるようなかつての典型的な家族でなく、必ず昔でいうところの“歪な家族”。
でも現実の社会を見てみれば、家族どころか地域社会などの共同体も多くが崩壊し、“典型的な”カタチなんかとっくに揺らいでいる。

それでも“家族”の中には、昔から流れてきたものは流れていくんだよね。
価値観を見直そうよ!という是枝監督の声が聞こえる気がする。
LEO

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