荒野の狼

携帯彼氏の荒野の狼のレビュー・感想・評価

携帯彼氏(2009年製作の映画)
4.0
原作、監督、主演、主題歌のすべてが若い女性(全員メイキングに登場します)によって作られた100分ほどのスピード感のある映画。主演の川島海荷は若い女性に見て欲しいと会見で述べおり、共演の石黒英雄は軽い気持ちで見られる映画と語っているが、血が吹き飛んだりなどの残酷シーンや、性的描写もなく、世代を越えて女性にも男性にも、肩の力を抜いてみたい映画。これまで、屈折した役(ごくせん、ハングリー、仮面ライダー電王など)が多かった印象の石黒が、川島の先輩役で、正統派の二枚目を好演。川島が、なぜ石黒と別れてしまったのか、石黒との再会は、石黒に思いが届くのかといったあたりが、サイドストーリーになっていて、それが本編に巧みに、美しい回想シーンとして織り込まれている。共演の朝倉あきが言うように、この映画の“純愛”の部分が好きになる人も多いのではと思われる。特典に映画のダイジェストをアニメも交えた主題歌のプロモーションビデオが入っているが、映画を見たあとに見ると本編以上に、せつない純愛に泣ける。ホラーの要素として、怖いのは、“携帯彼氏”のイケメンの男優陣の携帯画面上の顔で、美女が幽霊になると怖くなるのは定番だが、美青年が幽霊になると、(笑っているだけなのに)恐怖感は高い。“スケバン刑事3”の大西結花が川島の母親役で出ているのはオールドファンには嬉しい。
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