ちろる

巴里祭のちろるのレビュー・感想・評価

巴里祭(1932年製作の映画)
4.0
ずっと観たかったこちら
4Kリマスター版恵比寿ガーデンシネマにて上映で初鑑賞。

女はいつだって強い。
女はいつだって賢い。
それは国が違えど時代が違えど変わらないし、女の子が強くなってしまうのも賢くなっちゃうのもいつだって男のせいだ。

花の都パリを舞台にした巴里祭の夜に起こる恋模様。三角関数から四角関係に、、あれよあれよと男女の無責任な愛が交差するこの自由な世界で真実の愛がどこにあるのかとまるで宝探しをするように見てしまう。
ミュージカルのように楽しげに歌い踊る華やかなシーンの数々にまるで私も巴里祭に参加したような軽やかな気分になっていた。
メインに描かれるのは花売りアンナと、タクシー運転手ジャンのもどかしすぎる恋模様ではあるが、彼らだけでなくそれを取り巻く人々のなんともユニークな佇まいだけでも十分ユーモアがあり見応えがある。
古い作品でありながら所々の笑いは今の時代観てもクスッとできるほど非常にセンスよく、長回しのカメラワークが私たちを容易にこの陽気なパリの下町に誘ってくれる。
子供たちが走り回る構図も含めて意味を成さないようなシーンにまでこだわっており、ルネ クレール監督ならではの遊び心がふんだんに散りばめられている贅沢な作品。
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