月一でお届けしておりますヒッチコックレビュー、今回は第3逃亡者。
イギリス時代の最後から3作目、もうすっかりスタイルが出来上がっていて、普通に面白いのだけれど物足りなさを感じてしまうほど。
殺人犯に間違われた男が、ひょんなことから知り合った警察署長の娘を連れて逃亡しながら真犯人を探すというお話。
それにしてもヒッチコックの主人公はなぜ揃いも揃って逃げるのだろうか。殺してないならそう言えばいいのに、なぜか「まず逃げる」、そして「話をややこしくする」笑
今回も例に漏れず巻き込んで巻き込まれてついに犯人に辿り着くまでを描いていくのだけれど、その道中のヒロインとのやりとりが面白いかどうかで評価が割れるのがヒッチコック作品。
演じるノヴァピルビームは「暗殺者の家」のお嬢さん役のコで、この時まだ17歳。それにしては堂に入った演技で飽きさせない。むしろ主人公のほうがいまいち魅力に欠けていた気がする。
白人バンドが顔を黒く塗って黒人バンドの真似をしているのが滑稽で、いまなら人種差別とか言われちゃいそう。日本にもシャネルズってのが居たし、リスペクトしてるんなら良いと思うんだけれど。
そのバンドをロングで撮って犯人を提示する手法は当時を考えると斬新に見えた。なにしろ戦前の映画だ、これだけエンタメしてたらじゅうぶんすごい。
及第点すぎてあんまり書くことがなくてすみません💦