ロバート・アルトマン監督らしからぬ作品。
米ソ宇宙開発競争の真っ只中、何としてもソ連より先に人類を月へ送りたい米国は「ピルグリム計画」を強行。この計画は、月へ行ったはいいが一度着陸したら地球へは物理的に帰って来れない。アポロ計画はまだ完成されてなかったので、「月に行って地球へ帰って来れるアポロ計画が完成したら迎えに行くから1人で月で待っててね、何年かかるか分からないけど酸素や生活物資は定期的に送り続けるから」ってのがピルグリム計画。
これを当時のアメリカは本当にやろうとしたけど、あまりにも非人道的なので中止。それを小説にして「本当に実行されてたら？」というのがこの映画。
アメリカ国家を批判する内容だったのでラストは別の人が撮り直してアルトマンは編集段階で降ろされてしまった。アメリカ政府を批判する映画ばかり撮り続けてきたアルトマン監督らしくない映画ってのも納得です。本来のラストのほうが好き。
『ファースト・マン』より遥か昔にこういう映画が作られてたのが興味深いです。
