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血闘(スカラムーシュ)のmichiのレビュー・感想・評価

血闘(スカラムーシュ)(1952年製作の映画)
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先日観た『Zorro』の剣闘もすごいなーと思って観ましたが、こっちはさらに本物に見える。スタントなしで演じたスチュアート・グレンジャーとメル・ファーラーの闘いは迫力が違った。8週間かけてたくさんの技を習得したらしいです。

決闘をすると大抵どっちか死ぬわけで、「放課後に体育館の裏に来い」的なノリでしょっちゅう決闘を仕掛けるのはさすが中世おフランスですね。
ふっかけた方が簡単にやられたり、とんでもない話だけどちょっとアホっぽくて笑える。
議会のシーンは、教科書に載っている三部会の絵画のような構図。身分制度がすべてだった当時の様子がおもしろい。

主人公がスカラムーシュになりすまして潜り込む大衆劇場のお芝居が一つのポイントですが、あれも回を重ねるごとに劇団全体の芸が磨かれているような…。楽しそう。単純なギャグで観客が大笑いするの、平和でいいなと思う。

お嬢様を演じるジャネット・リーがとてもかわいい。
ちょっぴり複雑な恋の行方も気になり、劇場の女優レノアと伯爵令嬢のアリーナどっちとくっつくのか、最後の最後まで目が離せず。恋敵同士の静かな女の戦いも見せ場の一つかと思います。
一方が手を引き、切ない終わりかと思いきや…ラストも良かった。

恋物語、血筋、剣術、道化芝居、貴族vs庶民…と盛りだくさんの内容ながら、全部の要素がうまく絡んでおもしろい作品でした。
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