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集団左遷のsayuriasamaのレビュー・感想・評価

集団左遷(1994年製作の映画)
4.0
サラリーマンの悲しい性と、シブとさ

本作は忙しくなる直前に見に行った映画。
その日は遅番だったので、朝イチの上映を観たのですが、開場を待つ観客の年齢層を見た瞬間、久々に「入るんじゃなかった」と思ってしまいました。慣れてるはずなんですけどね。

ストーリーはバブル崩壊後、不況にあえぐ不動産会社を舞台に、左遷させられ、リストラ候補になってしまったサラリーマンたちの奮闘を描いた作品です。

追悼上映だった津川雅彦はいつも通りアクの強い悪役でした。よきにはからえ系の社長は神山繁。割りとのほほんキャラだったなあ。
サラリーマン軍団では、渋く、静かにみんなをまとめる中村敦夫に、やっぱりスーツで暴れるとカッコ良すぎる柴田恭兵、一見ダメだけどそこには理由があった河原崎健三、サラリーマンの弱さの象徴みたいな役どころの小坂一也、金がすべてな電器屋社長に伊東四朗と結構そろっています。女性陣は大胆な演技の高島礼子と、顧問弁護士役の江波杏子さん。この上映数日後に亡くなってしまったのですね..凄みのある強い女性でした。

うん、やる気のない社員、パワハラな本部、それに立ち向かう恭さまはカッコいい!って感じですっきりとはしますが、それ以外に味わいはないかな。サントラは独特でした...
スクリーンで観たら、今の邦画よりはまだましだけど、それでも邦画の質の劣化がはじまってるかもなあと思ってしまいました。
深夜、TVでやってたら結構見てしまうタイプの映画です。
星は恭さまのパンチにオマケ。
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