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ルパン三世 風魔一族の陰謀のtakのレビュー・感想・評価

3.4
そもそもOVAの第1作として製作された作品で、短期劇場公開された。そのため劇場版第4作と呼ばれたり、劇場版にカウントされなかったりと扱いが微妙な「風魔一族の陰謀」。シリーズ唯一声優陣が異なることもあり、昔から興味はあったが、テレビで放送されないから観る機会がなかった。今回が初鑑賞。BS12に感謝。

五右衛門の結婚相手、紫の家に代々伝わる壺。そこには宝の在処が記されているという。長年宝を狙う風魔一族が紫を連れ去ったことから騒動に巻き込まれたルパン御一行。紫を救えるか。そして隠されたお宝とは。

劇場版としての期待とは違う、こじんまりまとまった話。「VS複製人間」のスケール感やハードな雰囲気、「カリオストロの城」の人間ドラマの深みには乏しい。それでも全編に貫かれたコミカルなアクションは、ルパンシリーズらしい魅力が感じられる。ルパン生存を知った銭形警部が復帰して、いつもの追いかけっこが始まるとやっぱりワクワクしてしまう。そこは期待どおり。

声優キャスティングに最初は居心地の悪さを感じるけれど、そこは実力もあるベテラン陣。話が進むと本作でしか味わえない魅力を感じた。古川登志夫のルパンは諸星あたるみたいな軽口が心地よいし、銀河万丈の次元大介もギレン・ザビ級にクール、塩沢兼人の五右衛門もぶりぶりざえもんに通ずる信念の人、小山茉美の峰不二子は「チャーリーズ・エンジェル」のシェリル・ラッドみたいなカッコよさ。そして加藤精三の銭形警部は星一徹にも負けない頑固さがある。
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