円柱野郎

宇宙戦艦ヤマト 完結篇の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

宇宙戦艦ヤマト 完結篇(1983年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

強引な展開で続編を作り続けてきたこのシリーズ。
地球を救うために、人々の希望を背負ってただ一艦で戦い続けるというシリーズのテーマのようなものは出ているのだけど、そこまでの状況を作り出すのはやはり色々と強引な感じ。
設定や展開の矛盾を気にすると観てられないというのもこのシリーズの特徴だけど、最も手を付けてはならないところ…沖田艦長は死んでいなかったというのはやはり極め付け。
一作目の感動を返せ!とw

まあ当時これで最後の作品とするつもりであれば、初代艦長にして人気のある沖田の再登場はファンサービスだったのだろうけれど、やはりやりすぎだなあ。
登場時こそ指示を出しまくって存在感をアピールするものの、後はほぼ置物だし…、最後に艦に残るという感動的な場面も、そこまでに登場人物が死んだり生きかえったりということを何度か目にしているのでどうにもしらけ気味。
それは島大介の死についても言える。

戦略描写は無いに等しいけれど、史実の天一号作戦を想起させる部分もあったりとヤマトの最期についてどう見せるかという気合は感じる。
ただやはりそこに合理性が乏しいのが欠点なのだけれど、派手な見せ場だけが多いのは事実か。
(白兵戦で敵が馬に乗ってたりして、何だよと思うところもあるが…。)
作画の力の入れようも半端ではないし、その点については評価できるとも思う。

一部の場面で急に画質が落ちる部分もあったけど、調べるとスキャニメイト(アナログコンピューターでのアニメーション)という技術と使っているのだとか。
確かに特殊効果の描写としてはかなり効果が出ていたね。
ただあまりに画質が違うのでそれはそれで違和感がある。
まあトレードオフで演出を優先したということだろうから、悪いとは思わないのだけれど。

ヤマトの最期は自沈。
特攻による最期は2作目でも見たので、なんだか感動も半減だけど、このシリーズは自爆描写が多いな。
まあそれはそれとして静かにエンドクレジットへ向かう分には良し。
ただエンドクレジットが終わってから、なんだかんだと10分間も続くとは思わなかった。
アクエリアの語り(結局あの幻の女性が何なのかははっきりしない)とか、そこへ向かうヤマトの姿とか、海岸に並ぶ乗組員(カーテンコールのつもりなのだろう)とか…。
余韻の押し売りである。
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