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ブラボー!若大将のたまのレビュー・感想・評価

ブラボー!若大将(1970年製作の映画)
3.5
背後に起きている政治闘争も、何もかも無視して嘘のゴールデンな60年代を生産し続けた夢の楽園、若大将シリーズが構造として内包している経済格差。まあ、「アッと驚く為五郎」はクレージーキャッツにわかとしては知ってるけど、果たしてこれがどのタイミングて発動される何ギャグなんだか分からなかったけど、海辺でヤシのみが急に落ちてきて発動したので、驚くと発動する?でオモロイノリらしい。前にSpotifyでこの曲聴いてたら、「アッと驚く為五郎〜♪」とハナ肇がソロで歌うとき、音が左右偏りで録音されててめっちゃ気になる。正直若大将が図らずもニートになる事で『プロレタリアの若大将』の片鱗が見られる。それだけじゃなくて、若大将が初めてフラれる事で、元カノに敬語使う接し方をするという若大将の造形を知ることになる。ビーチを前にして開放的になっても、いつだって官能的な星由里子とは対照的にエロくならない、子供っぽさを常に纏う酒井和歌子。一方の妹、中真千子は惚気若妻になる。もう「誤解からの解消」という、黄金律がカスカスの名残だけで大胆に飛ばしちゃえっていうのを、スタイリッシュな岩内克己監督の奴では感じる。シリーズの健康的な感じがあったけどお色気が非常に多くなっている。『フレッシュマン若大将』から登場の藤岡琢也の3枚目ぶりが大活躍で、青大将を食ってしまうかもしれない。いやでも「酒井和歌子が誰かに似てるんだよな」という悶々を抜け出せなかった。誰だよー
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