コーカサス

俺たちは天使じゃないのコーカサスのレビュー・感想・評価

俺たちは天使じゃない(1989年製作の映画)
3.7
刑務所を脱走した男ふたりが、ひょんなことから神父になりすまし、目の前の国境を越えるため修道院で暮らすことに。

マイケル・カーティス監督&ハンフリー・ボガート主演による1955年の同名作のリメイクで、ロバート・デ・ニーロが製作総指揮を務めたコメディ作だ。

あたらめてデ・ニーロの芸幅の広さを知ると同時に、既にスタアだった彼を相手に堂々の演技を披露したショーン・ペンが素晴らしい。

「神は善なのか?わかりません。ただ人間は慰めが必要なのです。人間は弱いのです。もし、信仰が慰めになるなら神を信じなさい。それも自由です。 (中略) あなたも何かを信じていたいなら、それでいいのです」

クジに当たってしまったジムが大衆の前で演説をする場面は、まさに“門前の小僧習わぬ経を読む”だ。
しかし、始まりこそ“コルト社の広告”を読んだデタラメ文章が、次第に“彼自身の言葉”になった時、本作のテーマを垣間見た気がして感動すら覚えた。

ネッド (デ・ニーロ)とジム (ペン)、 そしてモリー (ムーア)たちが、それぞれの自由、安住、幸福を求め、信じた道を歩むラストも良い。

46 2022