逃げるし恥だし役立たず

俺たちは天使じゃないの逃げるし恥だし役立たずのレビュー・感想・評価

俺たちは天使じゃない(1989年製作の映画)
3.0
死刑執行のドサクサにまぎれて刑務所から脱走したネッド(ロバート・デ・ニーロ)とジミー(ショーン・ペン)の囚人コンビが迷い込んだカナダ国境近くの田舎町で神父を偽り巻き起こす騒動を描くクライム・コメディ映画。
何処か憎めない小悪党二人が片田舎で身分を偽り人助けをする事に価値を見出し、次第に改心して行く様を描いた物語で、ストーリーが地味な事もあってか認知度が低いようだが、コミカルな演出の中で信仰とは何かを問う此れぞ隠れた秀作。寒々しい田舎町の舞台もロバート・デ・ニーロの抑え目な演技もコメディにしては物足りなく感じるが、ロバート・デ・ニーロの相手役を引き立たせる才能が良く出た演技で、長年連れ添った漫才師コンビのボケとツッコミの様な掛け合いでショーン・ペン演じる偽ブラウン神父のボケっぷりを見事に演出している。
モリー(デミ・ムーア)の価値が5ドルとか、偽ブラウン神父になったジミーの末路とか引っ掛かる箇所もあるのだが、ショーン・ペンが暴力事件ばかり起こしてるマドンナの元夫だけで無く一流の俳優と感じられる作品の一つである。