ハローダギー

俺たちは天使じゃないのハローダギーのネタバレレビュー・内容・結末

俺たちは天使じゃない(1989年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

久しぶりに観ました。チャップリンの『偽牧師』を観て思い出して観たくなりました。やはり、良い映画、好きな映画です。

ひょんなことから凶悪犯とともに脱獄をしてしまった2人組が、ひょんなことから神父になりすますお話。

小難しさが無く、映画の世界にすっと入っていける脚本が好きです。音楽も適度に印象的に映画らしい映画音楽で嬉しいです。

そして、役者陣の素晴らしさ!
脱獄囚2人組、ロバート・デ・ニーロは、少しせっかちでキレ気味だが臆病という絶妙な役を、デ・ニーロ独特の困り笑顔全開で演じていて、最初から最後まで見飽きません。
コンビのショーン・ペンも、脱獄囚にもかかわらずどことなく純粋な人柄の演じ方が素晴らしいです。
そしてデミ・ムーア!聾唖の幼い娘を育てながら、たくましく暮らす女性を瑞々しく演じています。洗濯物を抱えながら、娘を連れながら、いろんな場面でデ・ニーロに啖呵を切る様子、生活に希望を失いかけながらも必死で暮らしていることが伝わってくる声の出し方が最高です。この役のデミ・ムーアは奇跡のような美しさだなと思います。

脱獄囚2人組が主人公という設定自体が、逆説的に人間讃歌になっていて、たくさんの場面に人間らしいコメディが生まれるのですが、それも全てやはりこの役者陣あっての映画だなと思います。

ラストシーンに差し込むカーテンのような光が美しいです。