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俺たちは天使じゃないのmofaのネタバレレビュー・内容・結末

俺たちは天使じゃない(1989年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

【最後の場面が秀逸】
☆リピート視聴☆

もう何十年も前に2度か3度観て、
いつか観返したいな
・・・と願い、DVDで観返しました。

今では考えられないキャストにまず、
改めて興奮します。

製作総指揮者:ロバート・デ・ニーロ
監督:ニール・ジョーダン
ネッド:ロバート・デ・ニーロ
ジム:ショーン・ペン
モリー:デミー・ムーア
そして、保安官助手の役で今は亡きブルーノ・カービーが出ています。

当然ですが、みんな若い!!!!
特に、この1年後に、「ゴースト」で注目される
デミー・ムーアが、
とにかく可愛い過ぎるんですよ
もともと、デミ・ムーアが好きなんですけど、
やっぱり、改めて、
美しくて可愛い人なんだと再確認しました。
「ゴースト」で真珠のような涙を流す彼女に、
心を奪われましたが、
この作品でも、ジムの説教を聴いて流した涙は、
美しかったですね。

そして、ショーン・ペンが、
純粋でちょっと抜けたジムを、
実にチャーミングに演じてます。
もう、男前!可愛い!!
そりゃ、マドンナを虜にするわい!!とこちらも、
その魅力を再確認。
特に、思い付きの説教をする場面は、
素晴らしく・・・・

自分で話ながら、自分の求めているものに出会っていく感じが、
本当に秀逸で、この演技があるからこそ、
終盤、ジムが「残る」選択をした辻褄が、
きっちりと合うんですよね。

ジムとは逆に、純粋ではなく、どちらかというと、
犯罪者の汚れが拭えない雰囲気のネッドを、
ロバート・デ・ニーロが、コミカルに演じてます。
デ・ニーロがよく映画に出ていた頃だけど、
こういうコメデイに出る事はあまりなく、
とても新鮮で貴重です。

神父に扮するドタバタ感を、
ショーン・ペンとは全く違うアプローチで、
仕上げていて、やっぱり、デ・ニーロは凄い!
純粋なジムだけでは、
ただのファンタジーなノリになってしまうのに、

ある意味、犯罪者の匂いを残した、
より人間的なネッドが、
リアル感を十分に出していて。
それは、奇しくも、
ジムの説教場面で
キラリと光るんです。

純粋はジムの言葉が、
リアルな人間の心に響いていく事の
下地になっているんですよね。

コメディな展開、コミカルな演技ですが、
それだけで終わらないのが、
ニール・ジョーダン映画です。
全体的な村の雰囲気は暗いし、湿度を感じます。
そこに宗教が絡むのが、絶妙で。

厳かで、少し不気味で、
独特な世界観を見せつけてくれます。
特に、マリア像が、
急流から流れ落ちるシーンは、
ダイナミックで、異形で、すべてが善という宗教を打ち破ります。

けれど、その像の手を取り、
ネッドとモリーの娘が助かったという展開は、
ジムの説教を、見事に表現していると感じました。

娘が話せて感動!!な所に
「ダツゴクハン・・・」とか言う所は、
コミカル通り越して、シニカルでしたし(笑)

 ジムの説教シーンと、この最後のシーンは、
映画の大画面で観たかったなぁ・・・
と強く思います。

あと、秀逸なのは、
最後のシーンです。
ネッドに、ここに残ると伝えるジム。
この場面は、全て、言葉で語られません。
ここに残りたいと思っていて、
後ろ髪をひかれるジムは、
カナダ国境へを急ぐネッドと、
距離が開いていきます。

振り返ったネッドは、ジムに早く来いよ・・・と。
ジムは、目の動きで、協会に残ると伝えます。
こういうジェスチャーの会話には、
ジムが何故、そこに残りたいのか、
何も語られないワケです。
けれど、ジムがそういう選択をする事は、
充分に理解出来てしまうんですよね。

そういう言葉の説明が不要な演技。
そんな痺れる演技は、この作品には当然のように存在しているんですよね。

個人的には、ロバート・デ・ニーロと
今は亡きブルーノ・カービーが共演しているのが、
胸アツでした。
「ゴッドファーザー2」でヴィトーとその手下として共演していました。
ゴッドファーザーまた観たくなってきた・・・・。

初めて鑑賞したのは、
高校生あたりなのかな・・・と記憶してます。
マフィア映画に一時ハマって、
かなり観ていた時期に、
その流れで、デ・ニーロの作品を観漁ってました。
その時に、こんなコメディに出てるのん????とビックリして、
更に、デ・ニーロ様崇拝に拍車がかかりました。

 この時は、そういう印象しかなかったけれど、
今観直すと、
ただのコメディではなかったと思いましたね。
神父になりすまし、生活をしていく中で、
純粋に宗教と出会い、
言葉で人を救う事が出来ると知ったジム。
人間臭く、そこまで良い人にはなれないけれど、
モリーとの交流や、
ちょっとした神を信じる出来事を通して、
神を少しは信じながら生きていくだろうネッド。

 最後の2人の別れのシーン。
対岸で手をふる2人。
これからも、自分の経験と、言葉で、
人々を勇気づけるだろうジム、
文句を言いながらも、
モリーと喧嘩しながら生きていくネッド、
そして、2人に流れる友情と。
晴れやかで、軽やかで、多幸感に満ちていて、
とても美しい。

ただね・・・・
この作品、残ったジムはどうなるのん??
もともと、この村に来る予定だった神父さんの
代わりだと、思い込まれている設定なんだよね。
その神父さんたちが、この村にやってきたら、
ジムはどーなんのさ!!って。
あと、警察官も、
この2人の脱獄犯を追いかけてるんだよね。
ジム、捕まらないの???

ボビーを逃がす代わりに、
俺たちは死んだと警察に言ってくれ!って
条件つければ良いのに・・・とか。
そもそも、身代わり神父の設定でなくても、
良いんじゃない?
・・・とか
スッキリ終わり!!とはならなかったですね(笑)
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