Bobsan

ザ・チャイルドのBobsanのレビュー・感想・評価

ザ・チャイルド(1976年製作の映画)
5.0
主人公のトムは、もう二人子供がいるんだから三人目はいらないんじゃないかと考えていました。この映画はそのトムが見た白昼夢だったというオチがついていて欲しいと願わずにはおれない作品ですね。
この島の子供達が何故狂ったのか、その理由は最後まで明示されません。映画冒頭で世界中で起こる戦争や飢餓で子供達が犠牲になる実際の映像がこれでもかと流されて、早くももう勘弁してくれ〜と思わされてしまいますが、その犠牲になる子供達の復讐劇か、子供達を狂わせる何か伝染病のようなものが蔓延したのか、様々な理由が考えられるように作られているのがこの作品の魅力ですね。
原題の意味は、"誰が子供を殺せるか?"ですが、現代の日本でも虐待や毒親問題などで子供達が肉体的にも精神的にも追い詰められている状況が後を絶ちません。大人達の勝手な理由で苦しめられるのはいつも非力な子供達です。この作品はそんな大人達に向けた怒りのメッセージが込められているのだと感じました。
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