ペコリンゴ

禁じられた抱擁のペコリンゴのレビュー・感想・評価

禁じられた抱擁(1963年製作の映画)
3.7
記録。
空白のキャンバス

なんだか癖になってきたカトリーヌ・スパーク主演の恋愛映画。音楽はまたしてもエンニオ・モリコーネ…じゃないんかいっ!

お、あれ??
3作観てきた中でこれが一番マトモかも。ちゃんとストーリーがあるぞ!

あらすじは…
金持ちのボンボン息子で画家志望のディノ(ホルスト・ブッフホルツ)は、下宿の隣に住む老画家のモデルをしていたセシリア(カトリーヌ・スパーク)に魅了され関係を持つ。あくまで割り切った関係であったはずなのだが、セシリアに別の男との二股疑惑が発覚。それでもディノはセシリアとの関係を断ち切れずズルズルと翻弄されていく…。

恋愛映画と言ってもトキメキ云々のキラキラ感は微塵もありません。あるのは寝るだ寝ないだの話ばかり。

そして小悪魔どころか魔性の女に近い役どころのカトリーヌ・スパークは、基本的に独占欲が強い男の脳をバグらせるに余りある妖艶さ&インモラルさ。

二股を問い詰められて悪びれもせず、
「私と寝れる事に変わりはない」
「どっちと寝ても幸福」
と曰う奔放さに脱帽。
おぉ、そうやなと納得しかけましたもん。

極め付けは全裸でリラ紙幣を敷き詰められるどうやら有名らしいシーン。とても十代の女優がやる事とは思えないんですが、それ以前に紙幣のあまりの巨大さが笑けるw
絶対お財布に入らんww

主役のディノは冒頭で画家を志すのを辞め、仕事もせずに母親に金を無心するカスですが、演じたホルスト・ブッフホルツは『荒野の七人』にも出演の男前。

そんなディノの母親は今で言う毒親みたいなもんで、演じたのは『八月の鯨』等のベティ・デイヴィス。この親にしてこの子あり的なリアリティがありました。

自称・良識ある男として本作のセシリアみたいな女性に関わるのはゴメンですが、しっかりスパーク加点はしちゃいます。

※スパーク加点+0.2