フローリア

禁じられた抱擁のフローリアのレビュー・感想・評価

禁じられた抱擁(1963年製作の映画)
5.0
10年くらい前にGYAOで観てまた観たかったけどどこの配信にも無くてUNEXTで久しぶりに観れた。
うつ病っぽい主人公の男に自分を重ねてしまう。
奔放な娘に出会ったものの別に本気にもなれないので適当に捨てようとしたら、娘には他に男がいて自分は本命でも何でもないことを知り嫉妬の炎で火が点いたような錯覚に陥る。
母親が言った「誰のことも真剣に考えない子です。」がこの娘の正体だろう。
何が起きても何を言われても動じないし怒らない。父親が死にそうでも遊びに出かける。
こういう娘って実際いるんだろうけど、どういう人生送るのかずっと観察してみたい。あと生理ないのか?と素朴な疑問が残る。
見た目は可愛い女だけど価値をセックスに置いてるような所とか何か男みたいだなと思う。
美人なのに男に貢ぐ感覚もあんまり理解できないけど、今で言う頂き女子がホストに貢ぐ構図と近いんだろうか?
初めて観た時、全体的にすごい倦怠感が漂っているなぁと思ったら原題はそのまま「倦怠」らしい。
ゴダールの軽蔑に雰囲気が似てるなとも思ったら同じ原作者だった。この気怠さが持ち味なんだね。
その雰囲気も含めてこの映画はかなり好き。特にラストのシーンが忘れられない。
フローリア

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