RIO

鶴は翔んでゆく/戦争と貞操のRIOのレビュー・感想・評価

4.5
ボリスとベロニカをひき止めるものはこの世に何もないほど幸せな2人
空を舞う鶴のように放水車の水が羽を広げ2人に祝福を送る

戦争が始まりボリスと生き別れたまま
一通の知らせもないことがベロニカを深い悲しみに陥れた

ボリスに会いたい一心で気がふれる
その身を焦がす激しさは火を放ち想いが漲ってます 汽車よりも速く走るっベロニカー✨

自己ではなく他者への愛は魂と深い関係にあると意識を向ける それはベロニカが苦しみ抜いた先に到達している

ベロニカがキツく抱きしめる花束が彼女の涙で濡れたその涙を受けとめた花々の行方が持つ意味は天上の愛へと繋がっている 本当に素晴らしかった

戦争によって絶望感に襲われた人々
闇の中で長い間涙を流していた人々を
ミハイル・カラトーゾフは語る
「怒りのキューバ」でもこの心の声を語りかけてくる独白感は一層強まっている
セルゲイ・ウルセフスキーの狂気にも満ちた全力疾走ぎみの撮り方は圧倒されました
美しい映画でした

余談ですが「怒りのキューバ」がシネマヴェーラで上映されたのを観ましたがより感情が深く伝わってきたこと 被写体から放射状の構図を意識したような広がりを見せていてバランスの絶妙さに惚惚です
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