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おもひでぽろぽろのkazu1961のレビュー・感想・評価

おもひでぽろぽろ(1991年製作の映画)
3.8
▪️Title : 「おもひでぽろぽろ」
Original Title :※※※
▪️Release Date:1991/07/20
▪️Production Country: 日本
🏆Main Awards : 第15回 日本アカデミー賞
話題賞 作品部門
▪️Appreciation Record :2020-204 再鑑賞
▪️My Review
『平成狸合戦ぽんぽこ』、『紅の豚』などど同様に大人になればなるほど楽しめる作品ですね。本作、30年近くも前なのにこの作品の描いている主題が全く色褪せていません。
トシオが脱サラして有機栽培農家を目指してたり、タエ子がアラサーでありつつ田舎の人間らしい生活に憧れるところなんて今あってもおかしくない話です。それと、鮮やかに描かれる昭和40年に心揺さぶられ、ヒロインとともに旅をした感覚に大人になったからこそ感じる作品です。
さらに、今井美樹と柳葉敏郎を主役の声優に抜擢し、演技先行で絵を作成したプレスコ手法もなるほどです。タエ子は今井美樹、トシオは柳葉敏郎そのものに見えてきますもんね。
脚本、監督は高畑勲。全編に徹底したリアリズムが貫かれ、舞台となった1982年の山形県山形市高瀬地区の様子や仙山線高瀬駅などが緻密に描かれているんですね。高畑監督らしいリアリティです。
特に感激なのは、1966年の描写においてもその当時の様子を徹底的なリサーチをして描いています。特にブラウン管の中に登場する『ひょっこりひょうたん島』については、当時の内容をキッチリと再現しています。主題歌が流れるシーンはほんと奇跡的で、鳥肌ものでした。
そして、1982年のパートははっきりとした色調で描かれており、現実にありそうな風景になっていて、1966年のパートは淡い色調で描かれており、「思い出の中の風景」という雰囲気をかもし出していますし、タエ子の時間・間の取り方も思い出ならでは、そんな演出もさすがですね!!
物語は。。。
東京でひとり暮らしをしている27歳のOL・タエ子。農業に興味を持っている彼女は、休暇を利用し、義兄で農家を営む山形へと向かう。寝台列車で揺れる中、彼女の前にはいつしか小学5年生の自分が現れはじめますが。。。
ポジティブでありながらもさみしく切ない『おもひでぽろぽろ』のラストシーン。エンドロールの演出だけでも感動!!素晴らしいラストです!!

▪️Overview
人生の節目を迎えた27歳の女性が小学校のころの自分を思い出しながら、田舎の人々と自然に触れ、自らの生き方を見つけていくまでを描く。岡本螢、刀根夕子原作の同名コミックの映画化で、宮崎駿がプロデュース。脚本・監督は高畑勲。作画監督は近藤喜文、近藤勝也、佐藤好春が共同でそれぞれ担当。(参考:映画.com)

声の出演は、今井美樹!柳葉敏郎、本名陽子など。
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