るい

上意討ち 拝領妻始末のるいのレビュー・感想・評価

上意討ち 拝領妻始末(1967年製作の映画)
4.3

父・夫・妻・友それぞれの覚悟…


男児をもうけながらも殿にいとまを出された"いち"を嫁に迎え入れる家臣の笹原家。しかし、殿の嫡子が死んだ事でいちの子が世継ぎになる為、大奥へ戻ってこいと命令がくだされる。身勝手な藩主の振る舞いに腹を立てた笹原父子はお家断絶をも恐れずこの事案に立ち向かう。

「切腹」の小林正樹監督×橋本忍脚本×三船敏郎×仲代達也。こんなん面白くないはずないよね、ほんま。

三船さんは笹原家の父親役。自分は養子で妻の言いなりで生きてきた。息子といちの関係を微笑ましく思い、今までの自分を顧みてこの二人を命懸けで守ろうとする。

息子でいちの夫は、いちの事を大事に思っているが、事の重大さからどうしたものかと揺れ動く。愛だけではどうにもならない。この時代の「家」って死ぬほど大事だから、彼の苦悩はすごくリアルに描かれる。

いち、彼女はこの物語の軸となる人物。時代に翻弄されるが、強く生きる彼女をいつまでも応援したくなる。

仲代さんは三船さん演じる笹原伊三郎の友人。もちろんキーパーソン!

「押されれば引く、さらに押されれば引く、だがそれでも勝負を諦めんのがお主でな」

父親としての覚悟
夫としての覚悟
妻としての覚悟
友人としての覚悟

皆のリアルで鬼気迫る演技に引き込まれるし、ドラマもアクションもほんと素晴らしかった。

三船さんの圧倒的なオーラに対抗できるのはやっぱ仲代さんの目力よな!👀✨
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