とむ

上意討ち 拝領妻始末のとむのレビュー・感想・評価

上意討ち 拝領妻始末(1967年製作の映画)
3.9
封建社会の不条理さや人間の傲岸さを悲劇的に描いている点では、『切腹』と同じ構図ではある。
けれどもこちらはより悲痛かつ救いのない物語で、見た後の気分も相当に重苦しいものだった。悲劇であっても「見事な映画を見た」という清々しさの残る『切腹』とは、その点で明らかに異なっている。

そんな中でこの映画の一番の魅力は、やはり人情味を感じさせる初老の男を演じる三船敏郎の存在にある。善と悪の対立も明解なので、より主人公たちに感情移入して物語に没頭することができた。
とむ

とむ