これは単なる騙し騙され、どんでん返しを楽しむ映画ではない。
W主人公が過去の事故により憎しみ競い合うという展開で絶対的な正義の定義すら不明瞭なまま物語が進行して行き、時にアンジャー、時にボーデンの気持ちに寄り添ってしまう。
考え方やマジックの才の部分が180度違う二人が対峙するにも関わらず、俗に言う〇〇派という見方がこの映画ではできなかった。復讐劇ではどちらも悪でどちらの肩ももつことができた。
しかし結末では大きな差が出た。
ここの差はテスラの装置を用いて得たタネとどう向き合ったか。そこにノーランからの人間の本質を問うたメッセージが込められていると勝手に思っている。
やっぱノーランだ…見て良かった。
二回目、三回目の楽しみ方ができる映画。