ノーラン作品でまだ観ていないものを観ようと思って手にとった。
電気の発明期、映画というトリックの黎明期、その時代のマジックショーを題材にしたサスペンス。
「グランドイリュージョン」のような軽妙なものを期待したが全く違い、血生臭い復讐劇だった。
史実と絡めて、主人公2人がエジソンとテスラの代理戦争みたいになるのかなとか勘繰りながら観たりした。
見せるシーンの時代は3つほどとはいえノーラン、また時間軸を当然のごとく前後に散りばめてくるので、やはり場面の切り替え時は話の筋を思い出す作業が必要になり非常に観にくかった。
そうまでしてたどり着いたお互いの種明かしも、確かにすごい内容だったが、映画的な驚きは半減しているように感じた。
時間の前後配置のせいもあるかも知れないが、とにかくずっと謎であり話のスタート地点である、なぜ相方の妻を殺したか、が最後まで説明されないというのが大きな消化不良で、トリックの種明かしのカタルシスに乗れる状態ではラストを迎えられなかった。
誰が観てもモヤッとしないだろうか？
