あつぼう

プレステージのあつぼうのレビュー・感想・評価

プレステージ(2006年製作の映画)
3.6
一流のマジックはタネや仕掛けのないことを観客に確認させる【プレッジ】、パフォーマンスを展開する【ターン】、そして最後に予想を超えた驚きを提供する【プレステージ(偉業)】の3パートから成り立つらしい。
クリストファー・ノーランが監督なんで、時間軸を行ったり来たり、彼の時間軸へのこだわりが発揮されていたと思いました。とにかく話がいきなり過去に戻ったりするので集中して観ておく事が大事です。油断してると完全に置いてけぼりをくらう映画です。
マジシャン同士の対決に期待した映画やったけど、2人のマジシャンの嫉妬と確執を前面に出した映画でした。お互い相手のマジックの種を知りたくて色々な手を使ったり、相手に邪魔をされるとその仕返しをしたりと息もつかせない攻防が続きます。このマジシャンの世界で二番煎じでは生き残っていけないから、相手より一歩先に行く事によって安らぎを得てるようでもありました。相手のマジックの種を暴くのも自分がトップになるには必要なんでしょうね。
昔テレビでマスクマジシャンがマジックの種明かしをしてたけど、マジックの種明かしをしてるから命を狙われるので正体がばれないようにマスクを被ってるって言ってたけど、なんか今なら分かるような気がします。
マジシャンにとってはマジックの種は墓場まで持って行きたいものでしょうね。
物語の中で科学者エジソンとニコラ・ステラの確執も描かれています。
かの有名な【直流と交流との確執】です。そこにマジシャンを絡めてくるあたりが面白いって思いました。まぁ~このステラの登場でとんでもない展開になっていくのですが、これには賛否両論ですね。「そういう風に話を持っていくんやったら何でも出来るやんか」ってツッコミました。
そうそうステラはデビッド・ボウイが演じてました。
1度目よりも2度目、2度目よりも3度目という感じで観れば観るほど味が出る映画だと思いました。
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