たくや

プレステージのたくやのネタバレレビュー・内容・結末

プレステージ(2006年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

有名なのに、なんとなく観ていなかった作品😅いやこれはトリック面白いっすね。
※トリックは激誉め、そして、この作品好きなんだけど、後半は反対意見言います。笑

~完璧なトリック~

伏線の嵐。最後の回収の仕方。
ラストが鮮やかすぎて、恐れ入る。
よく考えたら、随所に伏線が出てきていたのに、気づかないなんて💦
完敗です。笑

ボーデン(クリスチャン・ベール)が双子か...これは納得する。
・どう結んだか“覚えていない”
・トリックのために私生活を犠牲にする
・子供が産まれてすぐにファロンに言わなきゃ
・オリヴィア(スカーレット・ヨハンソン)がボーデンの瞬間移動は替え玉トリックだと指摘。
・ボーデンがオリヴィアに片方の自分が君を愛してる。
などなど。
双子トリックの伏線を散りばめてる。いきなり双子でした!
ではなくて、ちゃんと答えを導き出すヒントがたくさんあったわけだから、このカラクリは凄い。

アンジャー(ヒュー・ジャックマン)のコピー人間による瞬間移動マジックはすぐわかるカラクリだけど、序盤で鳩を犠牲にするマジックが伏線となり、最後の水槽のシーンが印象的に残る仕組みを作っている脚本が凄い。

ストーリー自体がマジックの『確認→展開→偉業(プレステージ)』の体系になっているのも良い。

サスペンス・マジック映画として申し分ないトリック。


~感情移入がイマイチ出来ない主要キャラ~

まず、アンジャーは人として嫌い。笑
この人は自分で何も生み出してない。前半はトリック設計カッターのネタ、そして瞬間移動パクリ、最後はテスラの発明のおかげ。根本的にマジシャンとしてどうかと思う。
愛する恋人を失った悲しみは同情出来るとしても、この性格の曲がり方は酷い。感情移入は出来ない。
あとこの性格の冷たさならば、自分すら犠牲に出来るから、最後のトリックもそこまで驚かなかった。
人間味がある人が、決断して自分を犠牲にするなら、まだ感情移入できた。
※ちなみに私、ヒュー・ジャックマンさんは大好きです。笑

双子のボーデンも酷い。
とくに、片方のボーデン(トリックに執着し、紐の結び方で人一人殺し、オリヴィアを愛してしまった方)がもう少し性格が良かったら、色々と防げた。←これ言ってしまったら元も子もないけど笑
てか、やっぱり奥さんには言うべきじゃないかな(これも元も子もない笑)
人生を賭けたトリックは彼にとって大事だけど、これを隠さなければならない時点で、家族を愛しているとは言い切れない。だって、奥さんからしたら別人送り込まれてるわけだから、そりゃ不愉快極まりない。


この映画はトリックを鮮やかに描く分、人間がそのトリックのために踊っているように見える。
映画において、感情移入はもっとも大切な要素の1つなのに、ここがすっぽり抜け落ちている。
やっぱりストーリーはあくまでも人間が主体であり、トリック×人間性を出してくれる、そんなサスペンス映画が私は好きだ。
たくや

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