くもすけ

契約殺人のくもすけのネタバレレビュー・内容・結末

契約殺人(1958年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ハーシェル・ベルナルディの経歴漁ってたら見つけた拾いもの。彼はなにかと殺し屋の肩を持つしょぼくれた見張り役の片割れ。

冒頭からテンポが良い。2週間電話待つ間部屋から一歩も出ず筋トレしてデリバリーにはテーブルの上に並べたコインで支払い。殺害シーンは見せず、契約金の領収が増えていくのを見せる。
彼のストイックな哲学は二人の見張りに説明される。一番手堅いのは標的となんの関係もない流れ者を使うことだ。彼は普通の人間のように生まれたが、良心や恐怖などを訓練で感情を取り払った、と。
運転手「それでは感情がないのか?」
殺し屋「暑い寒い眠い腹減った、それだけだ」

いざ標的が女だとわかるや初めて混乱する殺し屋。すったもんだあって、ピアニストを後ろからネクタイで絞め殺そうとするが、彼女は演奏をやめない。彼女のイギリス組曲と彼のテーマ曲であるペコペコのギターが混濁して殺し屋の手が動かなくなる。

脚本はベン・マドウ、監督はアーヴィン・ラーナーのヨーダン体制。音楽は「香港ブルース」のギタリストペリー・ボトキン。7日で撮られ制作費の10倍稼いでいる。スコセッシは14歳のとき見て惚れ込んだ、と。
見張り二人を殺す撮影所はもともと亡命したばかりのチャップリンのものだそうな