Canape

ダンシング・チャップリンのCanapeのレビュー・感想・評価

ダンシング・チャップリン(2011年製作の映画)
4.3
草刈民代のラストダンスが見たくて見てみた。1幕はバレエを作り上げるまでのドキュメンタリー、2幕はバレエそのもの。無論草刈民代のバレエは美しかった。それ以上に感動したのは振付家ローラン・プティ、撮影時60才で唯一無二のチャップリンを踊るルイジ・ボニーノのバレエを映像に残したということ。「映画」という枠に収まったバレエは舞台で見るバレエのように、その指先や全体を見たいと思う気持ちとは裏腹に監督の意図した構図で見なければならないが、見ることの出来ないアングルや表情も見れたのも確か。黒子の男性ダンサーが補佐して宙を飛んでいるかのように見える「空中のバリエーション」に見る血のにじむような努力の末に生まれた流れるような動き、羽のような軽やかさ。ルイジの手を足に見立てトゥシューズを履かせて踊る「小さなトゥシューズ」など、どれも見るものを一気に引きずり込むような世界観。天才たちの化学反応が生んだ奇跡のようなバレエに一つの演目が終わるごとに拍手をしていた。感動してよくわからない涙出たよ。彼らの友情と監督の愛情の深さがうかがえる素敵な作品でした。
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