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ローリング・サンダーのPのネタバレレビュー・内容・結末

ローリング・サンダー(1977年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

じんわりと面白かった。ベトナムで散々に拷問を受けて心に傷を負った帰還兵が、暴漢に襲われ妻子を奪われ、命がけでその復讐を遂行する、という冷静に考えると悲壮なストーリーなんだけども、意図的なのかたまたまそうなったのかよくわからないが、とにかく物語が非常に静かに淡々と進んでいく。そしてそれが、主人公の投げやりな態度というか、どこか心が麻痺した、もう居場所もない他にやることもないから(息子のためを装って)復讐してるんですよ俺は、とでも言いたげな、空虚な雰囲気に合っている感じがした。
主人公が復讐を敢行する相手は、直接的には金を妻子を奪ったメキシコ人の強盗達なんだけれども、実際にはもっと大きな何か、ベトナム戦争そのものとか、そういうものに対する怒りの様に思える。だからこそ、部下(トミーリージョーンズ)は家族と平穏に暮らしていたにも関わらず、主人公の鶴の一声で復讐劇に参加したのだと思う。
メキシコの生活の描かれ方とか、日本の自動車がアメリカの自動車より性能がいいだとか、1970年代ってこんな感じだったのかなー、という感じがした。今はどうなんだろ。
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