せーや

ブレックファスト・クラブのせーやのレビュー・感想・評価

ブレックファスト・クラブ(1985年製作の映画)
4.0
拝啓、校長先生…。

5人の生徒が
土曜日に罰として登校を命じられる。
そこで校長ヴァーノンが出した課題は
「自分とは何か」を作文として提出することだった。


思春期の子供に お前は唾を吐きかけるけど
そんなのは意味がないんだ
だって彼らは これから自分が何をすべきか
ちゃんとわかっているから

…というデヴィッド・ボウイの
名曲Changesから始まるこの映画。

ついさっきアルバム出したばかりなのに…。
亡くなってしまったということで。
数々の名曲をのこしたデヴィッド・ボウイ。
青春の少年少女に大きな影響を与えた男。
お悔やみ申し上げます。

「スポーツマン」
「秀才」
「不良」
「お嬢様」
「のろま」

という5人の生徒が集まり
休日を返上して作文を書く。

今まで絶対に交わることのないだろう
この5人が、一堂に会し
一日を共に過ごしていく。

彼らが互いに抱いていた「偏見」
そして彼らが自信に抱く「本来の姿」

「自分はいったい何者なのか?」
という思春期の一大テーマを軸に
自分は本当はどうしたいのか?
自分はこれから何処へ向かうのか?
様々なことを考え始める。

思春期に必ず抱く思い。
家族への不満、学校への不満、
ひいては大人への、社会への不満。
大人という人間の理不尽さに憤り
そして反抗へと向かっていく。

ハッピーな青春映画ではなく
ワンシチュエーション90分、
部屋で過ごすだけの映画。
それでもこれは、青春映画としての本質を表してるのでは。

彼らは次第に心を通わせていく。
しかし、彼らは来週の月曜日からも
「友達」でいられるのだろうか?

秀才には秀才の友達がいる。
不良には不良の友達がいる。
それぞれが、それぞれのグループといるとき
別のグループの人間に親しくできるのか。

思春期の子供にとって
自分のアイデンティティや
自分の所属するグループはとても大事なもの。
きっとそこからはみ出さないように
必死で自分の立場を守ろうとする。

きっと彼らは月曜日から
「学校の中では」友達ではいないんじゃないだろうか。

こんなことを、見た人と
語り合うのもいいかもしれません。

ラストがいいですよね。好きなラスト。
せーや

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