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ブレックファスト・クラブのぜんのレビュー・感想・評価

ブレックファスト・クラブ(1985年製作の映画)
3.9
【現代の"スクールカースト"の先駆け】

現代のいじめ問題。
その原因となっているのが、
「スクールカースト」

2000年代になって言葉として
徐々に広まっていったが、
言葉はなかっただけでそれ以前にも
スクールカーストは存在した。

本作は1986年に公開された作品である。

一つまだ観たことない方に
前置きしておくと、
本作での主題はいじめ問題ではない。

学生の頃誰もが心の内にあった葛藤。
周りからどう見られているかなど。
青春時代を思い出すような作品である。

*あらすじ*

舞台は1980年代。アメリカ。
5人の学生が休日の補講で
学校の図書館に集まる。
5人はそれぞれ普段の学校生活
では交わることはない。

・がり勉
・不良
・お姫様
・不思議ちゃん
・スポーツ馬鹿

以上のようにスクールカーストでは
違う位置にいる存在だからだ。

そして補講では5人に対して
1つの課題が与えられた。
それは…
「自分とは何か?」
という作文を書くというもの
であった。

だだ5人は1人として作文を
書く気はなかった。

最初はお互いの立場から、
対抗していた。

悪さを共有することで徐々に
打ち解けお互いのことを話すように
なる。

5人が出した答えとは?

*総評*

5人それぞれに個性があり、
立場が違えど心の中で不安や不満を
持っていることが分かり、
共感しました。

5人が少しずつ打ち解け始め、
お互い本音を話すことができる
関係になっていく様子は
普段の学校生活では有り得なかった
だろうなと思った。

普段の生活の中ではカーストの
同じ人が集まりグループをつくる。
周りからどう見られているのか。
自分はイケているやつでいたい。
そんな思いから身近にいる人間でも
本音を話すことがない。

ただ補修中、図書館での5人の時間は
同じカーストの仲間から見られる
心配はない。
マリファナを吸うといった悪さを
共有した上で5人だけの秘密という状況が
本音で話せる状況を作ったのだろう。

ただまた月曜日になったら
もとに戻ってしまうだろう。

でも5人は補修の1日の時間は忘れないだろうし、
5人なりの答えを見い出せたかもしれない。

作中の中で不思議ちゃんのアリソンが
言ったセリフも印象的でした。

「大人になると、心が死ぬのよ」

という言葉。
学生の頃、自分は心が死んだ
大人になりたくない。
そう思っていた。
大人になった今もそうありたい。
学生のときに観てても
共感できることが多かっただろう。

青春映画として楽しめました。
誰かの視点で感情移入できるのも
魅力だと思いました。
ぜん

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