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機関車先生のmitakosamaのレビュー・感想・評価

機関車先生(1997年製作の映画)
3.0
元は伊集院静の小説でそうな。

舞台は昭和30年代の瀬戸内海の離島。
臨時教師としてやってきた大柄な先生は、喋れないがその人柄で子ども達から人気者。機関車先生とあだ名される。

漁村では網元が借金をカサに村民を苦しめる日々。そんな中、機関車先生と子ども達は…

生徒側の主役にあたる少女の声に安達祐実。普通に上手い。
この少女の妄想シーンが度々入り、ちょっとファンタジックな表現が展開される。
多分絵柄が地味な作品なんで、こういうアニメ特有の表現で賑やかしたんだろうな。

肝心の物語だが…
確かに機関車先生は優しくて強い人だというのはわかる。
だが、村の問題などに対して特に何もしないんだよね。悪どい網元を懲らしめたり、借金問題を解決したりはしない。
ただ、教師として授業をして剣道の試合に出て勝っただけ。

物語としてカタルシスは一切無いんだよな。村民が漁に出て一人居なくなるなんて事故も起きてるのに、網元の疑惑まで出てるのに、基本的に機関車先生は揉め事に首を突っ込まない。
それはやはり話として物足りないよな。良い人だけど能動的でないのはドラマが成立しない。
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