フク

いそぎんちゃくのフクのレビュー・感想・評価

いそぎんちゃく(1969年製作の映画)
4.0
本作は渥美マリ第1回主演作品であり、「大映ハレンチ五人娘」の一人である渥美マリを「軟体生物シリーズ」の第1作「いそぎんちゃく」で何としても売り出したいという大映の肝いりの一作。
田舎から上京したばかりで田舎者丸出しだった渥美マリが、数々の男たちの目を引き虜にするにつれ、それまで自覚できずにいた己れの「才能」や「武器」に気がついてからの垢抜け具合が半端なく、それと共に食欲が増進しがつがつとご飯を食べるシーンが強調されていく辺りの描写が実に肉感的でとても良い。
映画の進行につれて我々観客も渥美マリが発出する魅力の虜になるというスター誕生の見事な仕掛けである。
そういった大映最後の徒花的にフィルムに刻み込まれた渥美マリの忘れ難い魅力に溢れた快作である。
フク

フク