カズミ

ゲキ×シネ「蛮幽鬼」のカズミのネタバレレビュー・内容・結末

ゲキ×シネ「蛮幽鬼」(2010年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

高校のとき、円盤を買って腐るほど視聴したのを覚えている。他の新感線主催の舞台映像を漁るようになったのは、思えばここからだ。
映画じゃないから入れるのを迷ったけれど、作品として10位以内に入ることは確定なのでマイベスト。

モンテ・クリスト伯に着想を得た復讐劇が主軸となっており、報われないやり取りの数々に終始切なさを覚える。様々な業が交錯する中、すれ違う愛情が描かれていたり、魅力的な悪役が出ていたりするため、人物の機微を見るだけでも楽しめる。
題材の重さに反して要所要所にコミカルなシーンも挿入されており、そのバランスがちょうどいい。笑いと胸抉られる展開の落差に風邪をひきそうにはなる。

舞台映えする上川さんの演技には脱帽するし、笑みを貼り付けたサジ役は堺さんあってこそ。じゅんさんと山内さんの演技で張り詰めた空気に余裕が生まれ、前後半で一転する千葉さんの役にゾクリとし、早乙女さんの殺陣と美しさに口が開く。
“一滴の愛”がかかると号泣してしまうのは、今でも相変わらずだった。

語り出すと止まらないので、要点をまとめた感想しか書いていないが、本当にどこを切りとっても自分の好きが詰まっている。今の時点において、長らく舞台のベスト1に輝き続ける作品です。
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