こぅ

地獄の英雄のこぅのレビュー・感想・評価

地獄の英雄(1951年製作の映画)
3.8
ビリー・ワイルダー監督キャリア中期のサンセット
と第十七捕虜の 間 の【社会派サスペンス】。

地方新聞社に流れ着いた悪徳記者チャールズ(カーク・ダグラス)が、返り咲きを狙い、偶々出くわした落盤事故の被害者1人の救出を操る。特ダネを画策して[一大センセーション]を巻き起こすが…。

痛烈なメディア批判、大衆消費者社会に向けた異色と
言えば異色な⁈サスペンス。
普通のノワールよりもエキストラや車の台数やロケー
ションが大掛かりで、中々お金掛かっているなぁ
スケール感。

スクー プと言っても街中での殺人事件とかでは無く、
密室でも無い、ほぼ現場一箇所での数日間で展開する。

そこで、人間の欲望、醜さをいかにも【映画的】を
利用して見事に描き出している。

事故から、5日か6日の内に人の不幸を利用して
スクープする記者は勿論、見物客を有料、酒場が繁盛
、挙句に移動遊園地まで作り上げ、事故現場を
【観光地】として一儲けしようとする、または
集って【お祭り騒ぎ】する人間達の醜い姿を映し出し
ている。

そのヒーロー的に扱われるチャールズ記者は、保安官を◯◯して、他社の記者をシャットアウトし、しかもわざわざ時間稼ぎの為に回りくどい救出作業を指示、操作してスクープを独り占めする悪どさ。

真に生きて、助かって欲しいと願うのは、友人でも
妻でも無い、、ただ1人だけだった。

この対比が効いている。


クライマックスの長期戦で衰弱した被害者が、
息絶える前に無事救出されるのか⁈が、一番緊迫
する見所。

チャールズ記者には、死なれては困るのだ、、。

終盤、あんな出来事(雑な印象)があっても最後
まで、、それはそれで欲深さへの【執念】を感じた。


*カークって、こんな役ばかり選んでいたのか⁈
他作とキャラ被るなぁ(オチまで)。
こぅ

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