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ガメラ対宇宙怪獣バイラスのLEOのレビュー・感想・評価

ガメラ対宇宙怪獣バイラス(1968年製作の映画)
2.4
地球を植民地にするためにやってきたバイラス星人はガメラの存在を危険視したものの、逆にガメラを利用すれば侵略がスムーズに進むと判断。
ガメラの弱点である子供を人質にしてガメラの脳波をコントロールし東京をはじめ日本各地を破壊し始める。
しかし人質に取られた正夫とジムがバイラス星宇宙船のコントロール装置を混線させてガメラを解放し、ガメラがバイラス星人たちを倒す話。

あぁ…、「ガメラマーチ」はここから始まったのか…。
でもこの4作目にしてガメラ映画が「子供向け」ではなく「子供だまし」のチャチイ映画になってしまった…。

どうやら本作より、劇場よりも厳しいアメリカでのテレビ放送規制条件を満たすため、アメリカでのテレビ放映契約を織り込んだ制作体制となったために「純粋な勧善懲悪もの」になったと制作側は言ってるようだが、問題はそこではなく、各所に「子供だまし」といえる「手抜き」が見え隠れすることだ。

特撮はどんどん劣化し、前作よりさらに怪獣やギミックの動きが作り物そのものになっている。
ストーリーも「ガメラの記憶を辿る」とか言って、過去作の映像をそのまま使う始末。

確かにこの年あたりは大映本社が深刻な経営不振に陥っている。
それによって制作予算が前作の3分の1に削られたようで、監督の湯浅憲明は予算不足と闘いながら「これがガメラシリーズ最後の作品との想いで半分は意地、半分はゲーム感覚でやった」と語っているが、ゲーム感覚というのを「いかにアイデアを実現させるか」と捉えられればいいが、残念ながら手抜き感を感じざるを得なかった。

しかし皮肉なことに、本作品は子供たちに大評判となって大ヒット(昔の子供達は純粋だったんだなぁ…)。
大映本社は懲りずに、次作『ガメラ対大悪獣ギロン』の制作を決定することとなる…。
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