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時計じかけのオレンジのcoffeeのレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
2.0
正直話はそこまで面白いとは思わなかったけどキューブリックの魅力は存分に発揮されていたのでものすごくレビューが書きづらい
よってここに良かった点と悪かった点を記します

1.画作りへの執念がすごい。シンメトリックな構図が作品全体の不気味さを増してる。アーティスティックな面ではウェス・アンダーソンと同じだが色調が真反対で方向性が2人では全く違う。さらに違う点は人、物の配置が全て意味を持っているところ。そこはマジですごい。いつものキューブリックらしい構図。
2.前半と後半でジャンルが変わるのが面白い。前半はごついクライム映画だが後半は完全に悲劇。観客たちが前半で嫌悪感を覚えていた主人公に対して後半にかけて自然と同情する方向に持って行けるのがすごい。多分引っかかってる人いっぱい居そう。なんなら自分もそう。
3.前衛的で現代アートなインテリアをこれでもかというくらい画面に詰めて密度を濃くしてる。滑稽さも孕んでるが個人的には不快感が少しあった。
4.単純に編集の仕方がぶっ飛んでる。1で構図が面白いと書いたがなんなら構図より編集の方がぶっ飛んでる。性交シーンを倍速再生するとか狂人にしか出来ない所業
5.モブからメインまで登場人物全員のキャラが濃すぎる。これはいつも通り。
6.主人公の一味が使っていた造語。今どきの若者たちが使っているような(僕も使ってる)「やばいww」「草」「えぐい」とは違ってはるかに知性に富んだスラングで、なんなら大人たちを小馬鹿にしているように感じた。これはめっちゃ良かった、というか好きだった。
7.話は面白くないんだけどテーマとしては普遍的なものを扱ってて、だから名作って言われるのも分かる。ただ描き方が過激すぎる。というかぶっ飛んでる。そこは好き。
8.ヘアヌード出しすぎ。AVかよ、映画だぞ。

よく居るファッションとしてこの作品を使ってる若者はみんなちゃんとこの作品を見てるんだろうか。見てるんだとしたらこの映画のTシャツを人前で着るとか正気の沙汰とは思えないんだが。
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