NM

時計じかけのオレンジのNMのネタバレレビュー・内容・結末

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

無理やり矯正して「良い人間」にすることは果たして意味があるのか。
ストーリーはシュールでやや怖い。人物が奇妙な言葉を使い派手な衣装を着ていることでなんだかごまかされて観てしまう。
ストーリーも面白いし、モダンなインテリアやファッションに溢れた画作りは、一度は観ておくべき。
おしゃれな名作だと思っていたけど、何よりストーリーが面白い。

---
日々凶悪犯罪を繰り返すアレックスはある日子分たちに裏切られ逮捕された。

模範囚として日々を送った彼は、犯罪更生の実験体に選ばれた。
毎日注射を打たれたのち、犯罪行為を見たり行おうとすると苦痛を伴う吐き気がして動けなくなる体質になった。
治療途中で大好きだったベートーヴェンの第九も大嫌いになってしまった。
彼は選択の余地がなくなっただけなのでこんな治療はおかしい、と異を唱えたのは居合わせた牧師だけだった。

実家に戻ってきたアレックス。
すると見知らぬ下宿人がいて、両親はとまどった。
いまや息子代わりとなっているその下宿人は、両親を苦しめたアレックスを責めた。アレックスは家出。

一人さまよっていると、昔殺しかけた老人とその仲間に囲まれた。しかし「治療」のせいで抵抗できない。
警官が通りかかったが、それはなんと昔の子分たち。助けの手は来なかった。

その夜たどり着いたのは昔強盗殺人に入った家。
あのあと、その主人は半身不随に、妻は暴行されたのち死んだ。
主人は気づかないふりをし、睡眠薬を飲ませた。
そして屋根裏に閉じ込め、下の階から第九を流し苦しませ喜んだ。
アレックスは窓を突き破り飛び降りた。

アレックスは治療のせいで自殺に追い込まれたとして再びニュースになった。
入院し今度はもとの精神を回復するため逆の治療を受けた。

あのとき治療の指揮を取った大臣が訪ねてきて、再び協力しようともちかける。
大臣の敵対派が、アレックスが死ねば大臣が失脚するとして命を狙っているのだ。

狂乱のごとくマスコミが押し寄せ、大臣と肩を組む写真を撮られるアレックス。
大臣は、完治したねと微笑んだ。
政争の具にされ人生を翻弄されるアレックスは今後どうなっていくのだろうか。


メモ
面罵 めんば。相手を目の前においてののしること。
連係 れんけい。人や物事の間の密接なつながり。連携は連絡を取り合い協力し合うこと。
NM

NM