Rockman

時計じかけのオレンジのRockmanのレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
3.8
良い意味でも悪い意味でも気持ち悪い作品だった。ストーリーもキツいし、視覚的にも狂っていて体力削られた感。

でもそれで終わらせないのが凄いと感じた。

どこ切りとっても前衛アートのように尖っていて、家具も服も色も表情も動きもカメラワークも、全部とても魅力的だった。

序盤のアレックスの狂いっぷりに若干引いたあと、中盤のアレックスの哀れさに同情を感じてしまった。
それによって、自分と切り離して観ていたアレックスに、強盗して強姦してるようなやつに、少しでも感情移入してしまうという怖さ。

ルドヴィコ療法は内なる欲望を抑え込むだけで、完全に消し去ってくれるわけじゃない。つまり、治療後のアレックスは私たちと同じ状態、欲望が抑え込まれた状態であるわけだから、感情移入してしまうのもおかしくは無い?

最終的にその同情や感情移入はなくなったので一安心。

面白かったけど疲れた!
Rockman

Rockman