830hz

時計じかけのオレンジの830hzのレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
-
え、かなり面白くて正直びっくりした。すごい。
最初はクレイジーだなハハくらいの気持ちで見てたし何なら品も皆無で観てるの割と苦痛だったけどいつの間にか真剣に観てた。
半世紀前の作品だからまあ色々と時代を感じるシーンは多かったけど、こんなにも楽しめるとは嬉しい誤算、、、!

とりあえず題材が題材とはいえ、前半の暴力描写や性描写はホントにハリウッド映画?て思っちゃうレベルだった。時代を強く感じた。品が皆無。
一瞬フランスのだっけ?て考えが何度も何度もチラつくレベル。
画面の品の無さと音楽の美しさのコントラストが皮肉っぽくて良かった。

でもストーリーの内容は今観ても充分楽しめるような展開でとっても面白かった。
車椅子のおじいさんが最高だったな〜!
アレックス、完全に自業自得だけど観てたらちょびっとだけ可哀想だなと思えてくる不思議。まあ一瞬頭をよぎっても自業自得だなで終わっちゃうんだけど。アレックスは完全に加害者で最低な人だけど、ある意味別のベクトルでは被害者なんだよな。
あと矯正施術の目かっぴらくやつ、ふつうに役者さんが心配になった。哀れなるものたちをちょっと感じた。
アレックス・政府・その他諸々全てに対して皮肉たっぷり効きまくりで良かった。

アレックスがレコード店で連れ帰ってきた女の子とのベッドシーンのカットが秀逸で良かった。
ちょっとマイ・プライベート・アイダホのベッドシーン描写に似てるな〜て思ってたらエンドロールの撮り方が完全に同じだったから、あれきっとこの作品のオマージュだったんだな。

あとティム・バートンとかきっとキューブリック好きなんだろうなと思いながら観てた。衣装もセットもちょっと独特で可愛かった。

古の名作映画は、それ以降の作品でオマージュされることも多いから楽しみの引き出しが増やせて良いね。
あと映画人はみんな雨に唄えば好きなんだなと思いました。
830hz

830hz