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時計じかけのオレンジのMyonのレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
3.4
胸糞悪くなるシーンが多い。わざとそういう風に作られてるんだから。そういうある種の皮肉や、表現への野心が剥き出しの映画。
それによって浮き彫りになるのは、アレックスたちの異常性というよりはむしろ政府・体制側の歪さ。予想の斜め上どころかねじれの方向に行っちゃう展開が凄い。アレックスには同調も同情もしないスタンスですが、あのラストには不気味さとともに痛快さを感じた。

彼の「ルートヴィヒ」への傾倒っぷり(ちょっと面白い)や雨に唄えばの引用のほか、音楽の使い方が素敵。BGMというよりはストーリーを補完し、台詞と同等の効果を発揮している。何にせよ見る人を未曾有のアンビバレンスに陥らせる傑作だと思う。
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