奥

時計じかけのオレンジの奥のレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
4.0
性と暴力の勝利。

1978年の映画。近未来の若者の姿を描いたとか…。
題名に惹かれて観たのですが、眼球が綺麗で、映像も綺麗で、色彩も綺麗で、憧れの映画でした。

暴力とレイプを繰り返す若者の、リーダー的存在の男性を描いた作品なんだけれど、彼や周りの人間の心の中が描かれて無い様に思えて仕方がなかったです。

画面の細部にまでこだわり抜いたセンスの素晴らしさに始終、感動した。

アングルの素晴らしさ、小道具ひとつひとつのこだわり、遠心力の皮肉ささえも、
ああ、キューブリックったらもう!と自分の親戚みたいな口調になってしまいそうで。

現代ではgoproでスーパーカメラばりの水飛沫が撮れますが、この時代にそれをやってのけたキューブリック、いったいどれだけの先見の明を持っていたのか。

原作を破壊することで有名で、
原作者からは糞だの恥だの言われ続けたキューブリック、しかしあなたが残した功績は大きい。
黒澤とキューブリックだけを観て育てと言う先生も居るくらいのカリスマ性。

私は脚本よりやはり映像に魅せられたほうなんですけどね…。
あの猫屋敷のオブジェや、おっぱいミルク、本当にステキでした。
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