ザシアン

ミーン・ガールズのザシアンのレビュー・感想・評価

ミーン・ガールズ(2004年製作の映画)
4.0
道徳の授業で流すべき映画の1つ。陰口を言うと自分も陰口を言われる。嘘を言えば嘘を言われる。この作品はケイディが復讐をしていく過程で無意識にダークサイドに落ち、ついには自分が嬢王様になって彼女たちにされた事と同じ事を周囲にしてしまうという転落劇。

まずケイディが復讐していくために嬢王様たちに近寄りあえて仲間になる所から本格的にストーリーが始まる。彼女たちからケイディは当時のイケてると思われる行動や風習を教わっていき、ティーン社会のリアリティーを見せてくれる。

ケイディは嬢王様たちの秘密や陰口を嬢王様仲間に少しずつ垂れ流し、内側から仲を引き裂いていく。その中でケイディが容姿も話し方も嬢王様たちに段々と近づいていっているのが面白い。

そして復讐を果たしていくのだが、見事返り討ちにあい、嬢王様たちはもちろんの事、大切だったはずの本当の友達、片思いを寄せる男子、愛に溢れていたはずの両親、その他クラス中の人から見放されてしまう事になる。この展開がリアリティーがあり好きな理由。あんなに純粋だった子が今や裸の嬢王様に君臨し、下克上を受けてしまう。

ケイディを演じたリンジーローハンがとてもよかった。本当の自分から染まってしまった自分へ徐々に変わっていく過程をしっかりと演じている。ボロボロになった姿も痛々しく伝わってくる。ただ、リンジーはこの役を演じて人生に大切な事を何も学ばなかったのかと疑問に思うぐらい、この後にリアル転落してしまったので残念。

陰口を言われた事がある人、陰口を言った事がある人、答えはどちらも全員。ありのままでぶつかって自分に正直に生きていけば、ネチネチせずに清々しく生きれるといいテーマを掲げてる。ガールズムービー、いや世間でのカテゴリーはビッチムービーの位置に近いが、そう言ってしまうのはもったいないぐらいに道徳に溢れた作品だと思う。
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