あぶ

ベティ・ブルー/インテグラル 完全版のあぶのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

30歳を越えて、自分の創作が社会どころか身の回りにも何の影響を与えていない事を実感する中で、ベティがゾルグの小説に心酔していく姿が羨ましかった。
それと同時に自分もここまで誰かに心酔してみたいとも思った、身の回りにいる創作をしている人々の事が好きで、一緒に作品を作ったりする事もあるが、ベティのように感情をあらわにして誰かに食って掛かる事も無ければ、誰かがそうしてくれる事も無いのだと思う。
ゾルグが強盗をした後に、ベティが墓場で泣くシーンはこれから先のシーンの暗示や、そもそも存在していなかった自分達の子どもの死を監督は撮りたかったのだと思うけれど、自分は自分が死んだ時に葬式よりも、お墓参りに来てくれた方が嬉しいだろうなんて考えてしまっていた。
それはやはり誰かと自分が関係性を結んだ時に、本当に大切な時間は二人きりの時に訪れるのだと考えているからで、ベティとゾルグは周りに魅力的な知人や友人達を抱えて生きていたけれど、決定的な瞬間はやはり二人だけの空間で訪れていたと感じたので、死んでも自分は誰かとこっそり二人きりで話したいのでお墓参りに来てくれた方が嬉しいのかもしれないと思った、猫が話しかけてくれたとしても。
あぶ

あぶ