うにたべたい

月光仮面 絶海の死斗のうにたべたいのレビュー・感想・評価

月光仮面 絶海の死斗(1958年製作の映画)
3.7
月光仮面劇場版2作目。
"どくろ仮面編"2部作の完結編で、前作から引き続きHOジョー発爆弾を巡る月光仮面とどくろ仮面の攻防となります。
どくろ仮面の正体、そしてその最期が描かれていて、2作にわたり月光仮面の敵として登場してきたどくろ仮面は本作で終了なんだなという感じの終わり方でした。

前作同様モノクロで、50分強程の長さです。
爆弾騒ぎや銃撃戦、飛び立つセスナにバイクで追いかけて飛び移るという、とにかくアクションシーンが印象深い作品でした。
月光仮面はいわゆる変身ヒーローにあたると思うのですが、大袈裟なパンチやキックで敵をぶっ飛ばすようなシーンはほとんどないです。
獲物として二丁拳銃を持ちますがそれで敵組織を制圧するようなことも無く、そういう意味で、今の変身ヒーローというよりは、神出鬼没さと人間業ではない身体能力で敵を追い詰める超人的な探偵というイメージを持ちました。
敵のドクロ仮面も別段、特殊能力を持っている訳ではなく、正体は人間であり、強い悪の心と潤沢な資金が結びついただけという設定なのかと思いました。
子供向けの特撮ヒーローというよりは、もっと大人向けの作品のように感じます。
なお、月光仮面が何故ここまで神出鬼没か、その異様なまでの身体能力の秘密は何かといった謎の回答は示されず、正体についても明かされないまま終わります。
ラスト近辺で、どくろ仮面の前でマスクを取って見せるシーンがあるのですが、そのシーンでもカメラは月光仮面視点になっていて、謎のヒーローを貫きましたね。

人の思惑が入り交じった、よくできたシナリオだと思います。
シナリオはテンポよく、どくろ仮面に関するまさかの正体が判明し、ラストは全てを波泡に変えて消えていく。
当時の子供たちが夢中になるのもわかる内容でした。