とちこ

ガラスの城のとちこのレビュー・感想・評価

ガラスの城(1950年製作の映画)
4.0
ルネ・クレマン監督の作品を初めて鑑賞しました。
特に、演出が面白いと感じました。この作品は実験的な手法がいくつか見受けられると思います。例えば、直線的な時間の流れを操作することで、提示したショットに突飛な印象を持たせたりするところ。あとは、あまりこの時代の作品には見られない印象なんですが、次に出てくるショットの音を、画面外の音として一個前のショットで先に挿入するといった演出(ジャン・マレーとミシェル・モルガンが保養地の水辺でキスをするシーンのオフの音)も実験性に富んでいると感じました。
ルネ・クレマンは、10代の頃アヴァンギャルド映画の制作からキャリアをスタートした人のようです。この作品に見られる実験的な手法というのはそうゆう経歴にも関係しているのかなと思います。ヌーヴェルヴァーグの人たちが彼をどのように評価していたのかというもの気になるところです。
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