Maoryu002

市民ケーンのMaoryu002のレビュー・感想・評価

市民ケーン(1941年製作の映画)
4.1
誰もがタイトルを聞いたことがあるだろう名作中の名作。

極端なローアングルやパンフォーカス、長回しという撮影手法、それに時間を前後するストーリー構成といった、当時は画期的だった映画の制作方法で歴代ナンバーワンという呼び声高いが、やはりすべて模倣され進化している現在では斬新さは感じられない。
しかし、改めて今観ても普通に面白い映画だった、というのが感想だ。

生涯に渡って愛されることを求め続けたケーン。誰かに愛されたくて、みんなの愛がほしくて、自分を求める人のために何でもする。そして、美術品もガラクタもとにかく集めまくる。
そのバイタリティは、若く力強い姿での剛腕は魅力的だが、老いた後は愛に縋ったり執着するだけの哀れな姿に映る。その対比を描いたストーリーは面白かったし、2人の妻とのビフォアアフターの描写も苦笑いだ。

後の数々の映画に影響を与えたことは周知の事実だが、自分としては「ウルフ・オブ・ウォールストリート」「華麗なるギャツビー」「アビエイター」などのストーリーとともに、レオナルド・ディカプリオの栄枯盛衰の姿が浮かんだ。
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