SORA

市民ケーンのSORAのネタバレレビュー・内容・結末

市民ケーン(1941年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

一言で言うならば、映像がすごい。
現代の映画では当たり前のような手法かもしれないが、それが第二次世界大戦中に公開された映画の中で見られるってすごいことです。つまり、ここが原点なのでしょうね。
ドローンつかってないよね?超巨大クレーンでも使ったの?どうやってとったの!?の連続。
特に白黒映画ならではかもしれないが、影の使い方に痺れる。ライトの当て方で、心情が出ていると感じた。(私が白黒映画を見慣れていない分更に新鮮にうっつたのかもしれないが)
特に二番目の妻が、もう歌いたく無いんだとケーンと喧嘩になるシーンでの心の折れ方とか。
あと、時代の流れの絵描き方がとても印象的。幼少期から青年期までの切り替わりとか、結婚の愛の温度が変わっていくさまとか痺れました。

時間が行ったり来たりと、現代のすっきり系映画では良く見られる手法の原点は、きっとここ。フェイクドキュメンタリー的に徐々に明かされているケーンの人生や人となりのちに、最後のシーンで明かされるバラの蕾の意味。物悲しさを感じさせるこのラストとても好きです。
自分を買った後見人に対する反発心と、幼少期に抱えた渇望を求め続ける悲しい人柄が出ていて良かった。しかし、時代背景を考えると、そのテーマを通り超えて人々に与えられる情報について深く考えろと問いかけているようにも感じる。
SORA

SORA