JA8980

市民ケーンのJA8980のネタバレレビュー・内容・結末

市民ケーン(1941年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

全ては、新聞王ケーンの遺した"バラのつぼみ”という遺言を追って、始まる。

結局、遺言の意味は明かされなかったので、調べたところ、ウェルズ曰く、観客を惹きつける為だけのもので、大した意味は存在しないんだそう。

まんまと惹きつけられた。
物事には意図や理由が必ずしも存在するとしてはひたすら追い、事を荒立ててしまう。

ケーン自身にとっても、"バラのつぼみ"は、本当に特段の意味は無かったのかもしれない。

もしそうならば、最後の、バラのつぼみの書かれたソリを焼却するシーンは危険だ。

観客は"バラのつぼみ"を追って、永遠の旅への準備を始めてしまう。
ケーンは実在しない。
遺言の意味は誰も教えてくれない。

人間は単純なのだ。
この思い込みをウェルズ自身によって消火されたのはありがたい話だ。
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